シフトは2時間で組めました|介護で鬼シフトになるのは、できないからじゃない

介護のシフトを見て、これを組んだ人は何を考えているんだろう、と思ったことはありませんか。

僕はあります。組まれる側だった頃の話です。

遅番、早番、遅番、早番、夜勤、明け、休み。その休みの午後にはカンファレンス。そこから夜勤、明け、日勤、遅番、夜勤、明け。

さすがに無理だと思って、作成者に言いに行きました。返ってきたのは、こうです。

「希望休が重なってるから、こうじゃないとできない」

そのときは、そういうものかと思いました。

その後、自分が組む側になって分かりました。できないのではなく、やっていなかっただけでした。

介護の仕事を16年やりました。1社目に5年、2社目に11年です。この記事では、僕が実際にシフトを組んでいた手順を書きます。

より少ない人数で、希望休もほぼ通して、2時間で組めた

先に結果を書きます。

僕が組む側になったのは、あの鬼シフトを組まれていた頃より、さらに人が減った後です。

それでも、希望休はほぼ100%通していました。連勤が続きすぎることもありません。所要時間は、だいたい2時間です。

周りのスタッフは、シフト作成を大変な仕事だと言っていました。僕は一度も、大変だと思ったことがありません。

感覚としては、パズルです。ピースを順番にはめていくだけで、頭を悩ませる作業ではありませんでした。

順番が決まっているからだと思います。以下が、その順番です。

手順1:希望休と有給希望を、先に全部入れる

最初にやるのは、希望休と有給の希望を、全部シフトに入れることです。

ここは、後から調整する対象にしません。先に固定します。

組む側の都合で言えば、希望が少ないほうが楽です。だから「希望休は月2日まで」のようなルールを置く職場が多いのだと思います。

ただ、それは組む側の都合であって、必要だからそうなっているわけではありません。先に入れてしまえば、あとはその周りを組むだけです。

手順2:夜勤と夜勤明けを、1か月分すべて入れる

次に、夜勤と明けを1か月分、先に配置します。

夜勤はシフトの中でいちばん動かしにくい要素です。1回入れば明けがセットでついてきますし、入れる人も限られます。

動かしにくいものから先に置く。これも、パズルと同じです。

手順3:明けの翌日が休みにならない日を、自分でかぶる

ここで、必ず問題が出ます。

基本的に、夜勤明けの翌日は休みにします。24時間近く起きた後に、また翌日出勤というのは、体に来ます。

ただ、希望休の並び方によっては、どうしてもそれができない日が出てきます。

そういうとき、僕は自分でかぶっていました。

理由は、他のスタッフに確認するのが面倒だったからです。聞いて、断られて、また別の人に聞いて、という手間を考えると、自分が入るほうが早い。

ただし、自分でかぶった場合も、その前後の勤務がきつくなりすぎないように調整します。自分の負担を無視して埋めると、結局続きません。

自分でもかぶれない場合は、他のスタッフに依頼します。そのときも、その人の前後の勤務ができる限り負担にならない形に組み直してからお願いします。

頼み方の問題ではありません。頼む前に、頼まれても大丈夫な形を作っておくということです。

手順4:その日の判断を任せられる人を、各日に置く

次は、人の配置です。

まず、その日その日で判断を任せられるスタッフを決めていきます。

介護の現場は、その日その時間で状況が変わります。全部を上に確認していたら回りません。だから、現場で判断できる人が毎日どこかにいる必要があります。

ここで大事なのは、役職と判断力は別だということです。

役職がなくても、任せられる人はいます。むしろ、一般スタッフのままにしておくのが勿体ないくらいの人がいました。本人が昇進を望まないタイプだっただけです。

介護で一緒に組んでよかったスタッフの話|仕事が早い人がいい人とは限らない

手順5:組み合わせてはいけない人を、決めておく

判断できる人を置いたら、次は組み合わせです。

どの職場にもいると思いますが、一緒に働くと問題が起きやすい組み合わせがあります。

2人体制の日に、その組み合わせだけは作らない。これは決めていました。

特に、立場が弱い側のスタッフがその日を一人で受けることになると、言い返すこともできませんし、誰かに相談することもできません。

問題が起きてから対処するより、起きない配置にしたほうが早い。これは、組む側にしかできないことです。

手順6:それでも避けられない日は、上司に現場を見てもらう

人数の都合で、どうしてもその組み合わせを避けられない日が出ることがあります。

そういう日は、上司にフロアを見られる形で配置に入ってもらいます。

業務として一緒に動いてもらう必要はありません。別の仕事をしていてもいい。目がある状態を作るだけで違います。

手順7:全体を見て、きつい勤務になっている人がいないか確認する

ここまで組んだら、一度全体を見ます。

見るのは、休みの日数ではありません。並びです。

介護の勤務は不規則です。日勤帯と夜勤が混ざった状態で5連勤になると、日数だけ見れば普通でも、体感はかなりきつくなります。

きつい並びになっている人がいたら、そのスタッフに確認します。そして、前後がどういう形になっていれば楽になるかを聞いて、調整します。

こちらが勝手に判断しません。実際にその並びで働くのは本人なので、組んだ側には分からないきつさがあります。

ここで、全部やり直しになることがある

ひとつ、正直に書いておきます。

10日ほど組み進めた後に、その付近できつい並びができてしまうことがあります。

そういうとき、その部分だけを直すことはできません。1か所を動かすと、他の日の人数が崩れるからです。

だから、全部やり直します。

面倒に聞こえると思います。ただ、これが犠牲者を出さない唯一の方法でした。誰か一人にしわ寄せを押し付けて完成させることは、やろうと思えばできます。前に僕が組まれたシフトが、たぶんそれです。

手順8:最後に、有給を組み込める日を探す

ひと通り形になったら、最後にもう一度全体を見ます。

探すのは、有給を入れられそうな日です。

人数に余裕がある日を見つけて、そのスタッフに確認したうえで、有給にします。

希望として出てきた有給は手順1で入れてありますが、それだけだと消化しきれません。だから、組み終わってから、追加で入れられる場所を探します。

僕は、付与された日数の最低でも半分は消化させると決めていました。その半分を作っていたのが、この最後の工程です。

有給は最低半分、20日連続の休みも|介護のホワイトな職場はシフトを組む側で決まる

組んだ後は、本人に2回確認してもらう

できあがったシフトは、そのまま配って終わりにはしませんでした。

作成の途中と、完成後の2回、本人に見てもらいます。そこで「ここがきつい」と言われたら、変更します。

手間はかかります。ただ、後から「今月きつかった」と言われるより、先に聞いたほうが早いです。

こうやって組んでいると、急なときに助けてもらえる

ここまでの手順は、手間がかかります。全部やり直すこともありますし、本人に2回確認もします。

ただ、続けているうちに気づいたことがあります。

誰かが急に休んで、その日どうしても誰かに出勤してもらわないといけない場面が、必ず出てきます。そういうとき、引き受けてもらいやすくなりました。

理由は、たぶん単純です。普段から、希望休だけでなく「この並びはきつい」といった希望も聞いて、そのとおりに組んでいるからだと思います。

こちらが聞いてきた分は、向こうも聞いてくれる。そういうことなのだと思っています。

シフトを組む作業は、面倒なほど後で効きます。急な穴が埋まらない職場と、埋まる職場の差は、たぶんここにあります。

まとめ:できないのではなく、やっていなかった

整理すると、順番はこうです。

  1. 希望休と有給希望を全部入れる
  2. 夜勤と明けを1か月分入れる
  3. 明けの翌日が休みにならない日を埋める(まず自分で)
  4. 判断を任せられる人を各日に置く
  5. 組み合わせてはいけない人を避ける
  6. 避けられない日は、上司に目を置いてもらう
  7. 全体の並びを見て、きつい人に確認して調整する
  8. 有給を入れられる日を探す

特別なことはしていません。順番通りに置いていくだけです。

それでも、僕が組まれていたシフトは、ああいう形でした。そして「希望休が重なってるから、こうじゃないとできない」と言われました。

人が減った後に、より多くの希望を通して、2時間で組めたので、あれはできなかったのではなく、やっていなかったのだと思っています。

今きついシフトで働いている人がいるなら、それはたぶん、あなたの職場の人数の問題ではありません。

ただし、組む人は選べません

最後に、身も蓋もないことを書きます。

ここまで書いた手順は、組む側が知っていればできることです。逆に言うと、組む側がやる気にならなければ、中にいる人にはどうしようもありません。

そして、誰がシフトを組んでいて、その人がどういう組み方をするのかは、求人票には書いていません。面接でも分かりません。

僕は条件を確かめないまま職場を変えて、失敗した側です。

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