軽い人で2回、腰を壊しました|介護の腰痛と転職、重い人のせいじゃなかった話

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腰が痛いまま、夜勤に入ったことはありませんか。

僕はあります。ぎっくり腰をやった、その日の夜です。

介護の仕事を16年やって、ぎっくり腰は2回やりました。どちらも、小柄で体重の軽い方の移乗のときです。重い人を持ち上げたからではありませんでした。

この記事では、介護で腰を壊す本当の原因と、痛めた後に何が起きたかを具体的に書きます。なぜ軽い人でもなるのか。なぜその場で手を離せないのか。そして、休めないまま働いた結果、体と給料に何が残ったのか。

読み終えたときに、腰を壊すこと以上に怖いのが何なのか、たぶん見えていると思います。

介護を辞めたい理由の「体力的にきつい」は、重労働だからではない

介護を辞めたい理由を聞くと、体力的にきつい、という答えは必ず上位に入ります。ただ、それを「重いものを扱う仕事だから」とまとめてしまうと、たぶん実態からずれます。

介護の現場を長く見てきた実感として、経験年数の長い人は、腰か膝のどちらかを痛めています。ほぼ例外なくです。全員が特別に力の弱い人だったわけでも、無茶な持ち上げ方をしていたわけでもありません。

原因は重さではなく、姿勢と、その姿勢を一日に何十回も繰り返すことにあります。前かがみになる。中腰で支える。相手の動きに合わせて自分の体をひねる。ひとつひとつは大した動作ではありません。

だから、軽い人でもなります。

介護の移乗で腰を痛めても、その場で手を離せない

1回目のときのことを、今でも覚えています。

車椅子からベッドへ移っていただく途中でした。抱き上げた瞬間に、腰にぎくっときました。

問題は、そこからです。

自分が動けなくなっても、抱えているのは人です。

荷物なら置けます。落としても、自分が痛いだけで済みます。でも人はそうはいきません。その場で手を離すという選択肢が、最初から存在しないんです。

だから、他のスタッフが気づいて助けに来てくれるまで、支え続けました。自分の腰がどうなっているかは、そのとき考えていません。ただ、この人を落とすわけにはいかない、それだけでした。

介護の身体的な負担が他の仕事と違うのは、たぶんここです。限界が来ても、途中でやめられない。

介護の夜勤がひとりの時間帯に、同じことが起きていたら

あとから考えると、僕は運が良かっただけでした。

腰をやったのは、夜勤入りと遅番の勤務が重なっている時間帯でした。だから、見える範囲に同僚がいたんです。

その人は、僕の様子を見ただけで腰をやったと分かったそうです。すぐに助けに来てくれました。介護の現場にいる人なら、あの止まり方を見れば分かる。それくらい、珍しいことではないということでもあります。

問題は、もしこれが夜間だったらどうなっていたか、です。

その職場の夜勤は、ひとりでした。フロアに自分しかいない時間が、毎晩あります。その時間に同じことが起きていたら、呼べる人はいません。

たぶん、床に降ろすしかなかったと思います。ベッドまで運べないなら、そうするしかない。そして自分も動けないので、朝まで床で寝ていただくことになったはずです。

それを想像すると、今でもぞっとします。自分の腰よりも、その人をどうすることもできない時間が何時間も続くことのほうが、はるかに怖い。

夜間ひとり体制というのは、そういう状態のことです。何も起きなければ回ります。何か起きたときに、どうにもならない。

腰を痛めた当日に夜勤へ入った理由

腰をやったその日、僕は夜勤入りでした。

交代の要員は、すぐには確保できませんでした。人が足りていない職場では、誰かが急に抜けたときの代わりがいません。当日に埋められる人がいない。

だから、入りました。

痛み止めを飲んで、そのまま16時半から翌朝までの夜勤をこなしました。夜間は基本的にひとりです。誰かに代わってもらうこともできません。

その後も、休みはすぐには取れませんでした。腰をかばいながら、いつも通りの業務を続けました。

ぎっくり腰で病院に行けたのは1週間後、診断は神経の傷み

ようやく受診できたのは、1週間ほど経ってからです。

診断は、ぎっくり腰と、それをかばい続けたことによる神経の傷みでした。かばう姿勢を続けたせいで、痺れが出ていたんです。

最初の1日で休めていれば、たぶんここまでにはなっていません。悪化させたのは、痛みそのものではなく、休めなかった期間のほうでした。

夜勤を外されて、介護の給料が月4万円下がった

診断書が出た結果、僕は1ヶ月間、夜勤を外されました。

体のことを考えれば、当然の措置です。ありがたい話でもあります。

ただ、介護職の給料は夜勤手当がかなりの割合を占めています。僕の場合、夜勤がなくなると月に4万円前後が消えました。

整理すると、こうです。

  • 人が足りない職場で、交代がいなかった
  • だから腰をやった日に夜勤に入った
  • 休めないまま働き続けて、悪化した
  • 診断書が出て、夜勤を外された
  • 収入が下がった

無理をして穴を埋めた結果、自分の給料が減っている。

誰かに責任があるという話をしたいわけではありません。ただ、この流れは、その職場にいる限り、誰にでも起きます。

介護で体を壊すと、転職という選択肢まで減る

今は現場を離れているので、痛みも痺れも残っていません。

ただ、あのまま続けていたらどうなっていたかは、正直わかりません。長く働いている人ほど、どこかを痛めながら続けています。そして痛めたまま続けると、次にどこかを痛めたときに、選べる選択肢が減ります。

体が動くうちなら、職場を変えることもできます。介護を続けたまま、人員に余裕のあるところに移ることもできる。介護そのものを離れることもできる。

動けなくなってからだと、その全部が難しくなります。

だから、今きついと感じているなら、限界まで我慢しないほうがいいと思います。少なくとも、自分がいる職場の人員配置が普通なのかどうかは、知っておいたほうがいい。

僕は自分ひとりで職場を探して、条件を確かめないまま移って、失敗しました。その話は別の記事に書いています。

5年で70万、11年で50万|介護の転職を後悔した、退職金が少なかった僕の実例

まとめ:介護で腰を壊すのは重さではなく、悪化させるのは人員配置

介護で腰を壊すのは、重い人を持ち上げるからではありません。前かがみ、中腰、ひねり。その姿勢を一日に何十回も繰り返すことの積み重ねです。だから、軽い人でもなります。

人が足りないことが効いてくるのは、その後です。助けが呼べるかどうか。その日に休めるかどうか。休めないまま働き続けて、悪化するかどうか。腰を壊すこと自体は避けにくくても、そこから先は職場によって変わります。

そして体を壊したとき、いちばん痛いのは腰ではなく、休めないことと、そのあとで下がる収入のほうでした。

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