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介護から介護へ移るとき、何を見て選べばいいのか。
僕は、そこで失敗しました。16年のうち、1社目に5年、2社目に11年。2社目を選ぶときに見ていたのは、総支給額と、賞与と、正社員かどうかと、家から近いかどうかでした。
その結果どうなったかというと、長くいた2社目のほうが、退職金は少なかったです。1社目は5年で70万、2社目は11年で50万でした。
移ったこと自体を後悔しているわけではありません。ただ、条件は良くなりませんでした。理由ははっきりしていて、求人票に書いていないことを、確かめずに入ったからです。
この記事では、次に介護の職場を移るとしたら僕が何を確かめるかを書きます。そして、それを自分で聞くのが難しい場合に、どういう探し方があるかも書きます。
読み終えたときに、求人票のどこを見ればいいのかがはっきりしていると思います。
総支給額だけを見て、失敗しました
まず、僕が何を間違えたのかを書きます。
2社目を選ぶとき、求人票で見ていたのは総支給額でした。金額が上がっていたので、条件が良くなったと思ったわけです。
実際、手取りは上がりました。1社目は手取り11万、2社目は1年目で20万に届かないくらい。ここだけ見れば、移って正解です。
ただ、総支給額の中身を見ていませんでした。
月給の内訳はこうなっていました。基本給が13万台。そこに職能給と年齢給が4万中盤、資格手当が1万、処遇改善加算が1〜2万、あとは通勤と住宅と夜勤手当。
足せば同じ金額です。でも、基本給が低い設計になっていました。
これが効いてくるのは、辞めるときでした。退職金は、多くの場合で基本給を基準に計算されます。11年いて50万だったのは、そういうことです。
賞与も同じです。求人票に「賞与4.0ヶ月」と書いてあっても、倍率がかかるのは基本給だけです。月給が同じでも、内訳が違えば賞与額は変わります。
5年で70万、11年で50万|介護の転職を後悔した、退職金が少なかった僕の実例
1社目のときは、逆の失敗をしていました
ついでに書いておくと、1社目のときは真逆の見落とし方をしています。
専門学校の実習先の施設長に感銘を受けて入ったので、条件はほとんど見ていませんでした。求人票の報酬欄には、基本給しか書いていなかったと記憶しています。
入ってから分かったのは、夜勤手当と交通費以外に手当がなかったことです。資格手当もありませんでした。夜勤手当は1回2,300円。この数字は今でも覚えています。
整理すると、こうです。
1社目は基本給しか書いていなくて損をして、2社目は総支給しか見なくて損をしました。
どちらも、内訳を確かめていれば防げた話です。
ハローワークで自分で探して、何が見えなかったか
1社目から2社目へは、ハローワークで自分で探しました。エージェントや紹介会社は使っていません。
先に書いておくと、ハローワークが悪いという話ではありません。良い求人もあります。
ただ、構造としてこうなっています。企業側は無料で求人を出せます。だから、採用にお金をかけられない事業所も載ります。結果として玉石混交になりやすい。
そして、求人票は基本的に文字情報だけです。写真もありません。
書いてあるのは、報酬と年間休日数と勤務時間と、あとは定型の文言です。ここまで書いてきたような「手当の内訳」も「有給が実際に取れているか」も、載っていません。
載っていないものは、聞くしかない。ところが、応募前に事業所へ電話して待遇の細かい話を聞くのは、なかなかやりにくいものです。僕はやりませんでした。
その結果が、さっきの話です。
次に移るなら、僕が確かめること
では、次に介護の職場を移るとしたら何を見るか。5つあります。
1. 基本給と、手当の内訳
これが一番です。総支給額ではなく、その中で基本給がいくらなのか。
基本給が低い設計だと、賞与も退職金も、その低い数字を基準に計算されます。在職中も、辞めるときも効いてきます。
2. 賞与が、何を基準に計算されるか
「賞与4.0ヶ月」という表記だけでは、実額は分かりません。基本給の4ヶ月分なのか、月給の4ヶ月分なのかで、まったく違う金額になります。
僕がいた職場では、基本給が基準でした。想像していた額の半分もありませんでした。
3. 夜勤の回数と、夜勤手当の額
夜勤手当は、月給に上乗せされる形が多いと思います。だから、1回いくらかと、月に何回入るかの両方が要ります。
そして、ここには続きがあります。夜勤の回数は、あとから減らされることがあります。
僕は月6回だった夜勤を3回に減らされ、代わりに送迎を割り振られたことがあります。送迎の手当はありませんでした。手当の3回分が、そのまま消えたということです。
腰を痛めて夜勤を外されたときも、月4万前後が減りました。夜勤手当の比重が大きい給与設計は、体調ひとつで崩れます。
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4. 年間休日数の「中身」
年間休日数は求人票に書いてあります。ただ、数字だけを見ないほうがいいです。
夜勤の明けが休日として扱われる、という形があります。24時間勤務の翌日が休日で、その次の日は普通に勤務。数字の上では休みが1日増えていることになります。
これは求人票からは読み取れません。夜勤が何時間で、明けた日がどう扱われるのか。面接で聞くしかない部分です。
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5. 有給が、実際に取れているか
制度としての有給は、どこの職場にもあります。違うのは、それが使えるかどうかだけです。
僕がシフトを組んでいたときは、付与日数の最低半分は消化させると決めていました。20日近く続けて休んだスタッフもいます。特別なことをしたわけではなく、組む側がそう決めていただけです。
つまり、同じ制度でも運用する人で結果が変わります。だから、制度の有無ではなく取得状況を聞く必要があります。
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この5つは、全部「聞かないと分からない」ことです
並べてみて分かると思いますが、5つとも求人票には書いてありません。
そして、応募前に自分で事業所へ聞くのは、現実的にやりにくいです。待遇の話を先に細かく聞く人は、印象が良くないのではないかと考えてしまいます。僕もそう思って聞けませんでした。
ここが、間に人を入れる意味が出てくるところだと思っています。
僕自身は、介護から介護へ移るときにエージェントを使っていません。だから使用感を書くことはできません。
ただ、そのあと介護から異業種へ移るときには使いました。そのとき一番助かったのは、求人の紹介そのものより、自分では言いにくいことを代わりに聞いてもらえたことでした。配属が聞いていた話と違ったときも、タイミングを見て会社に伝えてくれました。
条件の話を先に確かめたいなら、自分で聞くより、その役の人を挟んだほうが早いと思います。
条件で選ぶ:どこに相談するか
介護の求人を扱うサービスはいくつもありますが、対象が違います。自分がどれに当たるかで選んでください。
なお、複数のサービスにまとめて申し込むことは勧めません。同じ求人が重複したり、連絡が増えすぎて対応しきれなくなったりします。まず自分の条件に合うところ1つから始めるのが現実的です。
資格があって、正社員で探すなら
介護福祉士や初任者研修などの資格を持っていて、正社員で探している人向けです。全国が対象で、年齢の制限はありません。
逆に、無資格の人やパート・派遣を希望する人は対象外になります。
資格があって、雇用形態は決めていないなら
資格は持っているけれど、正社員に限らず働き方を選びたい人向けです。こちらも全国対象で、年齢の制限はありません。
申し込んだあとに電話で本人確認と希望条件の聞き取りがあります。さっき書いた「聞きにくい条件」を伝えるのは、この段階です。
1都3県・大阪・愛知で、20代から40歳までなら
勤務地が首都圏か関西・愛知で、年齢が20歳から40歳までの人向けです。資格は問いません。
対象の地域と年齢が決まっているので、そこから外れる場合は他を見てください。
無資格・未経験、またはブランクがあるなら
資格がない人、経験がない人、しばらく現場から離れていた人向けです。
派遣で働きながら資格講座の受講料が無料になる制度があります。先に資格を取ってから入るのが唯一の道ではない、という話をさっき書きましたが、こういう入り方もあるということです。
対象の地域が決まっているので、自分の地域が入っているかは確認してください。
ただし、変えられないものもあります
最後に、正直なことを書いておきます。
ここまで「確かめれば防げる」という話を書いてきましたが、確かめても変わらないものがあります。
報酬の天井です。
昇給は年に1,500円から2,000円ほどでした。何年続けても、この幅は変わりません。介護の報酬は介護保険で大枠が決まっているので、現場の努力とは関係のないところで上限が引かれています。
だから、こう分けて考えたほうがいいと思っています。
職場の環境は、人で変わる。給料の上限は、業界で決まる。
人間関係がきつい、シフトが組まれていない、有給が取れない。こういう理由なら、職場を変えれば解決する可能性があります。ここまで書いた5つを確かめれば、次はもっとましになるはずです。
ただ、給料そのものが理由なら、施設を変えても大きくは変わりません。僕が16年目で辞めたのは、そちらの理由でした。
介護を辞めるか職場を変えるか|16年いた僕が業界ごと辞めた理由
まとめ:僕が確かめずに移った結果です
もう一度だけ書きます。
僕は総支給額だけを見て移りました。その結果、11年いた職場の退職金が、5年いた職場より少なくなりました。
次に移るなら、確かめます。基本給と手当の内訳。賞与の基準。夜勤の回数と手当。年間休日の中身。有給の取得状況。
この5つは求人票に書いていません。そして、自分で聞くのは思っているより難しいです。
移ること自体は、悪いことではないと思っています。ただ、確かめずに移ると、僕と同じことになります。

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