昇進を断りました|介護の管理職は手当9,000円で、夜勤手当4万円が消えるからです

介護で昇進の話が来たとき、素直に喜べますか。

僕は、断りました。

計算したら、給料が下がるからです。管理職手当は月9,000円。その代わりに夜勤がなくなるので、月4万円前後の夜勤手当が消えます。

介護の仕事を16年やりました。1社目に5年、2社目に11年です。この記事では、なぜ昇進を断ったのか、そして断ったあとに何が起きたのかを書きます。

読み終えたときに、介護の役職と給料が、どういう関係になっているのかが見えると思います。

介護の管理職手当は9,000円だった

正式に昇進の話が来たとき、まず確認したのは条件でした。

管理職になると、手当が月9,000円つきます。それ自体は増える話です。

ただ、同時にもうひとつ変わることがありました。

夜勤から外れる。

その職場では、管理職は夜勤に入らない形になっていました。日中に管理業務があるので、当然といえば当然です。

介護の手取りは、夜勤手当で成り立っている

ここが、介護職以外の人には分かりにくいところかもしれません。

介護の給料は、基本給だけを見るとかなり低い水準です。それを補っているのが、夜勤手当です。

僕の場合、夜勤が入ることで月に4万円前後が上乗せされていました。回数によって変わりますが、だいたいこのくらいです。

つまり、夜勤に入っているかどうかで、手取りが4万円変わります。介護職の手取りは、夜勤手当ありきで成り立っていると言ってもいいと思います。

昇進すると、介護の手取りは下がる計算だった

整理すると、こうなります。

  • 管理職手当がつく:月9,000円のプラス
  • 夜勤がなくなる:月4万円前後のマイナス

差し引きで、約3万円のマイナスです。

責任は増えます。休みの日に連絡が来るようにもなります。そのうえで、手取りは下がる。

だから、断りました。「絶対に嫌です」と言った記憶があります。

迷いはありませんでした。計算すれば誰でも分かる話だからです。

同期だけが上がって、僕は現場に残った

その結果、同期だけが役職に上がりました。

僕は現場に残って、それまで通りに夜勤にも入っていました。手取りも変わりません。

それでよかったと思っています。ただ、この話には続きがあります。

知らないうちに、役職がついていた

しばらく経ってからです。

気づいたら、僕にも役職がついていました。

断ったはずなのに、と思って聞いたときに返ってきた言葉を、今でも覚えています。

「あんたを遊ばせておくわけないでしょ」

悪意があって言われたわけではないと思います。人が足りていない職場で、動ける人間を現場の一員のままにしておく余裕がなかった、ということだと理解しています。

ついた役職には、役職手当がなかった

ただ、このときついた役職は、最初に断ったものとは条件が違いました。

役職手当は、ありません。

階級が上がったことで、ベースが少し増えただけです。金額としては、手当と呼べるほどのものではありませんでした。

その代わり、夜勤は続きました。だから夜勤手当は残っています。

結果として、手取りは下がりませんでした。最初の話を受けていたら下がっていたので、そこは助かったことになります。

ただし、責任と業務は増えました。

介護の役職は、報酬と責任が結びついていない

ここまでを並べると、構造が見えてきます。

  • 正式な昇進を受ける:責任が増えて、手取りは約3万円下がる
  • 役職だけがつく:責任は増えて、報酬はほぼ変わらない

どちらを選んでも、報酬は増えません。

これは、その職場の担当者が意地悪だったという話ではないと思っています。介護の報酬は介護保険で大枠が決まっていて、事業所が自由に増やせる原資には限りがあります。

だから、役職の手当を厚くしようとすると、どこかを削ることになる。結果的に、こういう設計になります。

そして、この設計は職場によってまったく違います。管理職手当が9,000円のところもあれば、もっと出るところもある。夜勤を外すかどうかも職場次第です。

もっと上なら報酬はいい、という話も聞いた

ひとつ、補足しておきます。

さらに上の階層になれば、報酬は変わるという話は聞いたことがあります。

ただ、それは一部の人の話です。現場に近い役職は、たいてい中間管理職にあたります。上と下の両方から要求が来る位置で、報酬はそこまで変わらない。

役職がついた後に実際にやっていたことは、別の記事に書きました。手当の額が妥当かどうかは、増える仕事の中身を見ないと判断できないと思います。

残業の裏取りを何か月もやりました|介護の管理職の仕事内容と、その対価

まとめ:介護の昇進は、計算してから受けたほうがいい

伝えたかったことは、ひとつです。

介護で昇進の話が来たら、手当の額だけを見ないほうがいいと思います。

何が増えるかと同時に、何がなくなるかを確認する。特に夜勤から外れるかどうかは、手取りに直結します。

僕は計算したので断れました。計算していなければ、そのまま受けて、翌月の給与明細で気づいていたと思います。

手当の設計は、求人票では分かりません

そして、この手当の設計は、外からはまず見えません。

求人票に書いてあるのは、基本給と、手当があるという事実までです。役職についたときに何がどう変わるかは、入ってみないと分かりません。

僕は条件を確かめないまま職場を変えて、失敗した側です。

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